保険

どうして必要?生命保険の仕組みと役割

日本人の生命保険保険加入率は男性で81%、女性で83%と言われています。このサイトを今見ている方々の多くは、おそらく何らかの生命保険に加入しているでしょう。

一方で、生命保険のことを自分の頭で理解している人はとても少なく、「周りが入っているから」「親戚に勧められたから」といった理由で何となく契約している人も多いのが事実です。

生命保険は日常生活に潜むさまざまな「リスク」から私たちを守ってくれる存在ですが、その恩恵をきちんと受けるためには生命保険の基本的な仕組みを正しく理解しておくことが欠かせません。

貯金をしていても必要?生命保険の仕組みと役割

生命保険の役割とは?

私たちの何気なく過ごしている日々の生活の中には、実はたくさんの「リスク」がひそんでいます。

  • もしも、家族の収入を支えるお父さんの身に何かがあったら…
  • もしも、自分が難病にかかって莫大な治療費が必要になったら…
  • もしも、将来の年金が満足にもらえず老後の生活費が足りなくなったら…

これらの「もしも」は100人いれば100人全員に生じるものではありませんが、そのうち数人は大変な困難に見舞われてしまうかもしれません。

経済的備えに対する不安安心と回答した割合(%)不安と回答した割合(%)
世帯主が万一の場合の家族の生活資金30.1%65.8%
世帯主が入院した場合の必要資金33.3%63.5%
老後の生活資金26.7%70.0%
生命保険文化センター(平成30年度調査)

生命保険は、このような「もしも」に備えるための仕組みです。

もしも、家族の収入を支えるお父さんの身に何かがあったら…
⇒「死亡保険」で残された家族の生活資金をカバー

もしも、自分が難病にかかって莫大な治療費が必要になったら…
⇒「医療保険」で治療費や入院費をカバー

もしも、将来の年金が満足にもらえず老後の生活費が足りなくなったら…
⇒「年金保険」で足りない老後資金をカバー

生命保険には、みんなであらかじめ少しずつお金(保険料)を出し合い、その中で誰かが困ったときにお金(保険金)を支払う役割があります。

普段は年齢や性別、過去の病歴などに応じて保険加入者が平等に保険料を払います。病気やケガ、万一(死亡)のことなどがあると、集まった保険料の中から保険金が支払われます。

生命保険は、「もしも」に備えるためにみんなで少しずつお金を出し合う仕組みです。

どんな人が生命保険に入る?

日本人の生命保険の世帯加入率(1世帯で1人でも生命保険に加入している割合)は平成30年時点で88.7%と言われています。では、生命保険は1世帯1家族に1つで十分でしょうか?

続柄別に見ると、夫(世帯主)の生命保険加入率は85.6%に対して、妻は77.8%、子どもは51.1%が生命保険に加入していることが分かっています。

続柄生命保険の加入率
世帯主85.6%
世帯主の妻77.8%
世帯主の子ども51.1%
世帯加入率88.7%
生命保険に関する全国実態調査

夫が家計の唯一の収入源だとしても、生命保険が必要なのは夫だけではありません。専業主婦をしている妻に万が一のことがあった場合、家事や育児を外注するためには相当の費用が掛かってしまいます。

また、子どもの将来の教育資金に備えるニーズや、子どもが病気やケガで入院や手術を受けることになった場合への準備も必要です。

貯金があれば生命保険は必要ない?

「もしも」のことが起きた場合には沢山のお金が必要になることがあります。では、自分で貯金をしていれば生命保険に入らなくても大丈夫でしょうか?

例えば、子どもが2人いる夫婦が30歳から60歳までの間に毎年100万円ずつをコツコツ貯金をして、何かあったときの備えとして3000万円を用意する場合を考えてみましょう。

60歳以降の入院や手術などで大きな額のお金が必要になったとき、彼らは自分たちの貯金で対応することが出来ます。でも、もしそれが働き盛りの35歳のときに来てしまったらどうでしょうか?

厚生労働省によると、35-39歳のがんにかかる割合(罹患率)は10万人中110人と言われています。

10万人中110人とはいえ、無視できない確率です。もちろん、がん以外にも他の病気や事故などさまざまなリスクがあります。

また、60歳であれば子どもが独立して必要な出費も限られてきますが、若い内に病気やケガ、万一のこと(死亡)があった場合には生活を維持するために必要な金額も多くなります。

この例の場合で分かる通り、貯金は少しずつ貯めていくので、何かあったときにまだ十分な金額を用意できないかもしれません。生命保険はみんなでお金を出し合うことで、あらかじめ受け取れるお金が決まっているので、何かあったときに必要なお金を用意できます。

いつ起きるか分からない「もしも」への備えとして、生命保険は預貯金にはない機能を持っています。

公的保障や企業保障との違いは?

生命保険を考えるうえで貯金と一緒に比べられるのが国などによる「公的保障」や企業による「企業保障」です。例えば、一家の大黒橋に万一のことがあった場合、残された家族のその後の生活を守る公的保障として「遺族年金」などあります。

遺族年金の支給額のイメージ

以下のような条件の場合…

  • 死亡した夫の平均月収:40万円(賞与含む)
  • 家族構成:(妻)30歳専業主婦、(子)18歳未満2人

遺族年金の支給額は…

  • 遺族基礎年金:約6.5万円/月
  • 遺族厚生年金:約4.1万円/月
  • 子ども2人分の加算:約3.7万円/月
  • 合計:約14.3万円/月

公的保障は、家族構成や公的年金の種類によって支給額が異なります。また、企業保障の保障内容は勤め先によって変わり、自営業の人は企業勤めであっても一部の人は企業保障の対象になりません。

生命保険は、公的保障や企業保障を使ったうえでの「不足分」を補うために利用されます。自分に必要な生命保険を正しく選ぶためには、今の公的保障や企業保障の内容を正しく理解することが大切です。

国などの公的保障や勤め先の企業保障を正しく理解したうえで、不足分を補うために生命保険を活用しましょう。

生命保険の種類

生命保険はさまざまな「もしも」をカバーしてくれますが、「もしも」の種類に応じて商品を分類することが出来ます。ここでは大きく3種類に分けて説明します。

生命保険の種類
  • 死亡に備える生命保険
  • 病気やケガに備える生命保険
  • 老後に備える生命保険

年齢や生活スタイルに応じて、必要な保障や生命保険商品は変わってきます。以下のページではカテゴリ別に保険商品の違いを説明していきます。自分にとってどんな保障が必要なのか考えてみましょう。

死亡に備える生命保険(死亡保険)は、生命保険の中でも最もベーシックかつ重要な保障です。死亡保険の中には「定期保険」「終身保険」「養老保険」「収入保障保険」などがあります。

病気やケガに備える生命保険は、高齢化や医療の高度化によって近年とてもニーズが増えている保険です。「医療保険」「がん保険」「特定疾病保障保険」「就業不能保険」の4種類があります。

老後資金に備える生命保険(個人年金保険)は、公的年金や企業年金で足りない分の生活費を補うための保険です。国の厚生年金や企業の退職給付金が年々減る中で、老後の生活費を自分に準備したいというニーズが高まっています。

生命保険の配当の仕組み

生命保険会社は契約者から保険料を集めて、「もしも」のことが起きた人に対して保険金や給付金を支払います。また、生命保険会社の事業運営に必要なコストも保険料から引かれます。

支払う保険金・給付金の額や事業費は過去のデータから推定され、それらに基づいて保険料が決定されますが、ときには集めた保険料から必要支出を引いて余る場合があります。

余った分の保険料は契約者に還元されることがあり、これを「配当」と呼びます。配当の額や支払いの有無は生命保険会社や商品によって異なります。

余った保険料は「配当」として契約者に還元されることがあります。

生命保険は節税にもなる

生命保険には、保険料を払い込んだ分は所得税や住民税が控除される仕組み(生命保険料控除)があり、節税に活用することができます。

これは生命保険に加入することの一つの大きなメリットです。万一の場合に備える手段としては、生命保険以外にも貯金などがありますが、毎月1万円ずつを自分で貯金しても節税にはなりません。

生命保険を活用することで、将来の万一の場合に備えると同時に、節税によって毎月の手取り額を増やすことができます。